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?B 陸上支援
ノルウェーの近代化船に対する陸上支援に関しては、労務支援を行っているが、整備支援は行われていない。しかし、洋上メンテナンスについては、同国では本船の乗組員数を安全運航に必要な最低配乗定員数にとどめているので、もっぱら海上での修繕・整備のみを行う要員を短期間本船に送り込んでこの作業をさせ、これを終えたら他の船舶に移動させて同じ修繕・整備作業をさせる、いわゆる、“Flying squads(Travelling squads)”と呼ばれる機動的な洋上メンテナンス・システムが、船主によってとられている。
(3)ドイツ
?@ ドイツの甲・機両用教育
ドイツは甲板部と機関部両方の航海当直を行う船員を養成する、いわゆる甲・機両用教育を職員及び部員ともに行っている。職員については、最高水準の免状資格を有する航海士と機関士に、反対領域の資格を取らせる教育訓練スキムが1986年に導入された。これに基づいて、ハンブルグ商船大学(Fachhochshule Hamburg)が1989年9月に一級職員の甲・機両用教育を開始し、1993年に最初の卒業生を送り出した。また、ブレーメン・ポリテクニク(HochschuleBremen)が1991年9月に、ブレーメルハーフェン(Hoch−schule Bremerhaven)との相互乗入れ方式による追加的な補修教育スキムで、反対領域の中間資格を取らせるブレーメン州独自の甲・機両用教育を開始した。
一方、部員については、1983年3月24日制定の「船舶メカニカの養成ならびに資格取得に関する規則」に基づき、同年から海員学校で甲板部及び機関部両用の部員(Shiffsmechaniker)を養成している。
この甲・機両用部員養成学校の入学資格は、義務教育を終了した満15才以上となっている。就業年数は3年で、座学と乗船実習のサンドイッチ方式を採っているが、乗船実習の比重が非常に大きい。卒業後はシップメカニカ(部員)として海上勤務するが、所定の乗船履歴を経てさらに進級教育を受け試験に合格すると、船舶マイスタ(Sh−iffsbetriebsmeister;職長)の資格を与えられる。
なお、このシップメカニカの教育訓練とシップメカニカとしての海上勤務は、入学時の資格によって乗船できる船舶のトン数又は機関出力に制限があるが、将来職員となるための教育訓練コースでもあり、また乗船履歴でもある。この点が、ドイツの船員養成の特色になっている。

 

?A 船員配乗
ドイツでは、1980年代後半に入って甲・機両用の教育を受けたデュアル・パーパス・

 

 

 

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